フランス生活がそこそこ長い人でも結構多い、洗剤ジプシー。
日本もそうですが、洗剤コーナーにはものすごい数と種類が並んでいて、お値段も安くはないので気軽に買えず、悩むことが多いのではないでしょうか。
ましてやフランスに来たばかりでは、裏を見ても原材料名も??だし、用途もまた???広大なコーナー前で途方に暮れてしまうこともきっとあるでしょう(ええ、あります!)
今回は、若干主婦目線の記事ですが、知っていてお得と思われる、洗剤情報です。
一般的な洗剤のご紹介とあわせて、エコノミック(経済的)でエコロジック(環境保護的)で、フランスでも流行しつつある手作り洗剤のレシピもご紹介します。
手作り洗剤レシピに使う材料
いろいろな洗剤をこれで作れるので、洗剤コーナーで毎回呆然とするならば、これらを揃えて自分で全部作るほうが、安心、お得でお薦めです。
ちなみに、呼び方は色々あるようなので、よく見かける名称で書いてあります。
重曹 Bicarbonate de soude
言わずと知れたエコ洗剤の代表。日本でも良く使われますが、フランスでもこれはどこでも手に入ります。スーパーで探すなら、食塩を売っているあたりで見つかるはず。
クエン酸 Acide Cirtrique
日本でよく使われますが、フランスではこの変わりに、Vinaigre Blanc(ホワイトビネガー)が主婦の友(Vinaigre ménagerも同じ)。
使われ方も同じで、酸性なので、水垢や石灰質(トイレについて取れない茶色い汚れ)やコーヒーメーカー、湯沸かしポットについた白い跡の分解にも。こちらは後で詳しく説明します。
炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ)Cristaux de soude
重曹よりもっとアルカリ性が強いので、効き目も強く、イギリスでは主婦の友だそう。
フランスではそこまでメジャーではありませんが、最近はスーパーでも気軽に購入できます。
過炭酸ナトリウムPercarbonate de soude
日本では酸素系漂白剤と呼ばれているもの。
最近はスーパーでも比較的よく見かけるようになりました。ネットで簡単に見つかります。
日本では、オキシクリーンがよくお掃除や選択に使われていますが、その原料がこちら。ほぼ同じように使えます。
サボンノワール Savon noir
フランスのエコショップの定番商品。これだけでも色々使える上、上記と組み合わせて手作り洗剤を作る際も大活躍します。
日本では何と呼ばれているのか(黒石鹸?)わからないのでカタカナ表記しておきます。詳しい人、ご連絡ください。
粘土(クレイ)石 Pierre d’argile
クレイ、粘土の塊です。女性にはクレイパックでおなじみですが種類がとても豊富です。Pierre d’argentとか、pierre blanche とも呼ばれます。日本で何と呼ばれているのか…(以下、略)。
手に入りやすく、色々使える便利なエコ洗剤の1つ。除菌できて手と環境に優しく、シミ抜き(布を除く)や石灰や油汚れに強いので1つあると便利です。濡れたスポンジにこすりつけて使います。
モンモリロン石パウダー(日本の呼び名不明)Terre de sommières
モンモリロナイトという粘土鉱物のパウダー。上記のPierre d’argileが使えない布やカーペットのシミ抜きに適しています。
ビオショップ、もしくはスーパーならDIY(bricolage)系の棚で見かけることも。油汚れに強いです。
マルセイユ石鹸 Savon de Marseille
フランス土産の定番 ?(古い ?)マルセイユ石鹸。本物は基本的に真四角で重さ600g、72%d’huile と書いてある物…らしいです(ビオショップ店員の友人曰く)。
油がオリーブオイルならば深緑色。匂いはそれほど良くないけれど、フランス人曰く「おばあちゃん家の匂い」とか…。
お土産にも人気ですね!
よく使う洗剤と手作り洗剤レシピ
Nettoyant multi usage どこでも使えるタイプ
油汚れにも、アルカリ性の汚れにも、ある程度効き目があり、木目等にも使える万能タイプ。
Nettoyant multi-surfaces と書いてあったりもします。
フランスのスーパーで見かける代表的なパッケージ
自分で作ろう!multi-usageなセスキ炭酸ソーダ
日本でよく聞くセスキ炭酸ソーダ。アルカリ性で、油汚れ、汗じみなどにつかえて、とても便利でなかなかの洗浄力です。Sesquicarbonate de sodium というものですが、これはフランスでは見かけないので、自分で作ります。
作り方は簡単で、上記の重曹と炭酸ナトリウムを1:1で混ぜるだけ。(炭酸ナトリウムをちょっとだけ多めにするとより近い)。500mlの水に重曹と炭酸ナトリウムそれぞれ小さじ1を混ぜてスプレーボトルに入れておけば、どこでも使えます。
また、ひどい汚れでなければ、洗濯洗剤としても使えます。上記のように重曹と炭酸ナトリウムを混ぜたものを粉洗剤代わりに入れるだけ。30Lで大さじ1ぐらいで大丈夫です。これは、洗濯機もついでにきれいにしてくれるので、洗濯洗剤に迷ったら試してみては。
石灰質対策
Anti-Calcaire (アンチカルケール)と言います。掃除好きは覚えましょう(笑)。
フランスの水は硬水で、つまりミネラル分が多いため、石灰質が固まりやすく、水を使う電化製品には必須の対策です。
ただし地域によって水の硬度はかなり差があります。フランス水の硬度地図 もありますが、ちょっと離れるだけで(水源が違うだけで)全く違うこともあるので、あまりアテになりません。
水を使う電化製品といえば、コーヒーメーカーや湯沸かしポット、アイロン、洗濯機などですね。
上述のトイレが茶色くなってこすってもなかなか取れない汚れも、この石灰質です。
フランス人も長年これに悩まされてきたのか、様々な対策がありますが、一番メジャーなのは、vinaigre blanc(ホワイトビネガー)。
これを入れてしばらく放置してこする…だけですんなり取れるならば、それで良いのですが、あの頑固な汚れはそう簡単にはいかないことがあります。
ホワイトビネガーを温めてから入れるとより効果があります。
そのほかにも色々なレシピがあります。
トイレの頑固な石灰質(茶ばみ)を取る!
1. ホワイトビネガー1本、Gros sel(塩)ひとつかみ、重曹2カップを入れて一晩放置、その後しっかりこする。
2. 過炭酸ナトリウム(もしくは炭酸ナトリウム)を入れて、そこにお湯をふりかけて一晩放置(泡が出ます)。朝、しっかりこする。
3. 塩素系漂白剤 eau de javel を使う。
4. 塩酸 Acide chlorhydrique を使う。
4.は危ないので、おすすめしません。引っ越しなどでどうしてもきれいにしたいけれど、どうしても取れないという場合のみ。
3.と4.はエコノミックでもエコロジックでもないので、1.2をおすすめします。個人的には2が最も手軽で、効果的だと思っています。
上記はそれぞれ別の処方。一度にすべては絶対にやらないでください。
混ぜるな危険
手作り洗剤を作る時に気を付けること
- 塩素系洗剤(上記塩酸はもちろん、eau de javelも)と酸性のもの(上記クエン酸やホワイトビネガーなど)を混ぜない!
- 化学物質を使わないエコ洗剤でも手荒れすることはあるので、ゴム手袋などきちんと用意
- どんな場合でも換気をしっかりして、密室で使用しないこと!