必ず加入する必要がある
フランスでは物件に入居する際、必ず住宅保険に加入していて、その付保証明書を提示できる必要があります。
保険対象期間は、入居日から(もしくはそれ以前)である必要があり、すでにその場にいて、家賃などを納めていたとしても、付保証明書がなければ入居できません。
ここではフランスの住宅保険について理解を深めていただくための説明になります。
フランスの住宅保険とは
フランスの住宅保険は火災・水漏れ・盗難・損害賠償補償を含む総合保険です。
日本では、故意ではなく過失で火事を発生させてしまい、延焼により隣家やアパートの隣人に被害を負わせてしまった場合、「失火法」により、出火元への損害賠償請求はされません。
しかしフランスにはこの「失火法」にあたる法律がでないため、日本とは異なり、建物全体の損害賠償を請求される可能性があるので、持ち家でも住宅保険の加入は必須です。
またフランスでは第三者に対する民事責任(responsabilité civile)が強く問われます。
例えば、ベランダに置いた植木が下に落ちてしまい、第三者に被害を与えてしまった場合の損害賠償などです。
住宅保険に加入することにより、これらの災害・事故に備えることができます。
住宅保険で補償される基本事項
- 火事(Incendie)
- 水漏れ(Dégâts des eaux)
- 台風(Tempête)、雪害(Grêle-neige)
- 大規模自然災害(Catastrophes Naturelles)
- ガラス破損(Bris des glaces)
- 盗難(Vol)
- ご家族の一般生活における個人損害賠償補償(Responsabilité civile)
(保険会社・保険商品によっては、上記の基本事項が異なります)
オプション(住宅保険に追加できる保証)
- 電気補償(漏電により壊れた家電製品の修理、再購入費、冷蔵庫、冷凍庫内の食材補償)
- 再調達費用((同等の新品家具を買い直す費用を補償、減価償却のマイナス分を考慮し補償)
- 弁護士費用(火災・水漏れで隣家とトラブルになった際の、弁護士費用)
- 学童保険 (お子様が学校及び学校の活動で怪我をした場合、補償が受けられます)
よくある勘違い
保険で補償されない部分について、よくある勘違いが水漏れについてです。
水漏れ事故の直接原因となった箇所の修理費用は補償されません。
例えば、水道管のパッキングが古くなりそこから水漏れが発生した場合、そのパッキングの購入費・交換費用は、補償対象外です。
但し、水漏れによりご自身のアパート内に被害(家具・絨毯等)が発生した場合は保険で補償されます。
家具付き賃貸契約の場合、家具・壁、天井の修理は大家さんの保険で補償されることになっています。
保険料はどうやって決まる?
保険料は居住地域、部屋数、家財額、貴重品の有無、免責金額、オプションの有無と内容などにより決まります。
保険を使う必要がある事態が発生したら?
例えば水漏れの場合です。
まずは水漏れを止められるならば止め、被害を最小限におさえるようにしましょう。
その後、住宅保険に加入している保険会社に連絡します。
①合意調書(Constat amiable dégâts des eux)を作成します
被害箇所のわかる写真を撮る
被害品のリスト作成(写真、商品名、購入時の領収書)
※領収書がない場合、同等品の金額が確認できるもの(カタログ・ネットサイト)でも対応可能な場合があります。
合意調書の作成については、原因によりやり方が異なりますので、必ず保険会社と確認しながら進めてください。
②修理見積を取る
保険会社の指示により修理箇所のお見積りの提出をお願いします。
③専門家の派遣
見積金額により、保険会社が専門家を派遣し調査します。
④工事開始
保険会社より見積承認が下りたら工事着工
⑤修理完了後領収書を保険会社に提出
⑥保険会社より修理費用還付
大まかに、上記のような流れになることが多いですが、場合によって変わります。
あくまでも一般的な流れということでご理解ください。
いつ、どのタイミングで加入するべき?
加入手続きをする時期は、住所が確定していればいつでも可能です。
保険の付保期間は、遅くても入居日からである必要があります。
入居日がまったく決まっていなければ付保開始日を決められませんので、ある程度入居日が確定してからになるでしょう。
つまり、タイミングとしては、「住所が確定し、入居日が確定(もしくは大体確定)した後」であり、必ず入居日の前、ということになります。
加入してから付保証明書が出るまで時間がかかることもありますので、遅くとも入居日の10日ぐらい前までには加入手続きを終わらせておくと安心です。
引っ越しした場合は?
住宅保険は、加入時に必ずその物件の正確な住所を伝えて加入します。
その住所の物件に対する補償ですので、引っ越し後なにもしなければ、新しい住所への補償はない状態になります。
上記の保険料の決まり方にもあるように、保険料は物件の詳細によっても異なるので、新しい住所では、新しく加入するか、現在の保険であっても住所変更を行い、あらたな保険料があればそれを支払う必要があります。
一度入ってしまえばOK、というものではなく、住む場所が変わる度に入りなおすもの、とお考えください。
解約について
住宅保険加入は必須であり非常に重要であるということはご理解いただけたかと思います。
その重要性から、住宅保険は通常自動更新です。
フランスの住宅保険は1年更新が基本ですが、よく分からず加入してしまい、解約を忘れて帰国してしまった、という方が結構いらっしゃいます。
銀行引き落としにしていると、銀行口座を閉じて帰国されるため、保険の請求が来ているのに支払いできない状態となり、未払金の請求メールが来て驚く、というパターンです。
帰国時に必ず行うべきことの1つとして住宅保険の解約があるということをどうぞお留置ください。
シュマン・アッシュのおすすめは?
日本の海外旅行保険、留学生向け保険でも、一部住宅保険と似た内容が補償されていることがあります。
ですが、フランスで必須の住宅保険の内容と完全に一致するとは限らず、多くの場合、付保証明書を提示しても不可と言われてしまいます。
たとえ、すべて同じ、十分な補償内容であったとしても、家主様側に不可といわれて入居できないのでは意味がありません。
よってシュマン・アッシュではフランス(もしくはヨーロッパ)に拠点を置く会社の商品で、なおかつ「フランス向け住宅保険」であることを明記した保険に加入されることをおすすめいたします。
住宅保険はオンラインで加入できるものが多く、通常即日、もしくは2,3日で付保証明書を発行してもらえます。
フランス語(もしくは英語)である程度理解できるのであれば、オンラインで検索して加入しても良いでしょう。
ただし、保険が必要な事態になった場合も、すべてフランス語もしくは英語で対応しなければならないという点にご注意ください。
ご自身で対応が難しい場合は、フランス語ネイティブに手伝ってもらえるかどうか等も考えて決定しましょう。
弊社では世界最大の保険会社であるアリアンツ社の住宅保険への加入援助を行っております。
Chemin-h会員様は無料もしくは特別価格で代理申込みいたしますので担当者にお知らせください。
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