フランスのスーパーにも意外とあるある和食材
美食の国フランス。
かしこまってレストランに行かなくても、近所のパン屋さんで買える焼きたてのバゲットだけでも、その美味しさに感動してしまいます。
美味しいチーズとワインも気軽に味わえ、街はおいしいものでいっぱい。
フランス料理だけではなく、日本ではあまりなじみのないレバノン料理やカリブ料理、ペルー料理などなど、新しい料理との出会いも楽しめます。
それでもやっぱり、ふとした時に恋しくなるのが日本食。
適度に食べて、心を落ち着かせたい時もありますね。
ただ、フランスで和食を作る時に日本で使われる食材そのものを揃えようとすると、アジア系スーパーまで出かける必要があり、値段も張るので、手間もお金もかかります。
安い調味料は中国語?などで読めなかったり…(トホホ)。
そこで今回は、フランスの普通のスーパーで手に入り、和食を作る時に便利な食材を紹介します。
短期旅行でフランスに来て、ちょっとした和食を作りたくなった場合にもぜひ参考にしてみてくださいね。
お米 Riz de Camargue (カマルグ米)
南フランスのカマルグは米作地帯として有名な地域です。
このカマルグ米は、小粒で粘り気があり、日本米とやや似ています。
水の分量や炊き方も日本米と同じ方法でふんわりと美味しく炊けます。 お寿司用にも使えます。
ただし、一晩経つとポロポロになってしまうのが難点。 ポロポロになってしまった時には、炒飯やオムライス、ライスサラダなどにすれば美味しくいただけます。
小ネギ Ciboulette (セイヨウアサツキ)
ネギっ気は和食に欠かせないものの1つ。
スーパーのスパイスコーナーで、乾燥したものが売られています。
味は小ネギそのもの。
お味噌汁や、麺類など、お料理にちょっとふりかけるだけで、ネギの風味がプラスできます。
1人暮しで大きいネギを買ってしまうと、なかなか使いきれないこともあるので、乾燥Cibouletteは重宝します。
冷凍で刻んだタイプも売っているので、冷凍庫に余裕がある場合はそちらも便利。
また、Main verte(緑の手・植物を育てるのが上手な人のことをこう言います)をお持ちの方なら、ベランダ栽培も。
育ったら根本を残してカットすれば初夏から秋まで新鮮なネギが食べられます。
もう少しリーズナブルなネギの代わりとしては、ポワローネギの緑の部分(こちらはフランスでは香草的なポジション)を刻んでも。
白い部分は茹でてビネグレットソースで食べるのが定番です。
かたくり粉 Fécule de pomme de terre (じゃがいものでんぷん)
あんかけなど、とろみをつけたい時に必須の片栗粉。
そんな時にはFécule de pomme de terreが使えます。これは片栗ではなく、じゃがいものでんぷんが成分です。
片栗粉と同様に水に溶かして使います。
Maizena というマークでよく見かける、コーンスターチでも代用可能です。これはほぼどのスーパーにも置いています。
くず粉
先に挙げたFécule de pomme de terre以外に、くず粉もとろみ付けに使えます。 フランスの有機健康食品店では、葛粉が ‘Kuzu’ あるいは ‘Kudzu’ として普通に売られています。
気軽に買えて健康にも良いのでおススメです。
片栗粉と同じく水に溶かし、加熱すると、とろみがつきます。
パン粉 Chapelure de pain
日本のパン粉と全く同じとは言えませんが、エビフライやとんかつなど、フライ系の衣に使えます。
日本のパン粉よりもかなり細かい形状で、揚げると歯ごたえはサックリというよりもザックリした感じに仕上がります。
フランスではオーブン料理の上に振って表面をカリッとさせるのに使うことが多いよう。
日本風のフワフワパン粉はアジア系ショップにはありますが、それよりも食パンを冷凍させて、チーズおろしで凍ったパンをおろすという方法もあります。
手間暇かけれるのであればこちらもお薦めです。
白ごまペースト
レバノンに代表される中東料理に欠かせないタヒニ(Tahin)。
ずばり白ゴマをペースト状にしたものです。
例えば、酒、酢、醤油、砂糖を混ぜればフランスでも簡単にゴマダレが作れます。お酒は料理用白ワインで代用可能。
プレーンな白ゴマなので、味付け次第で和食にも中華にも使えます。
サバの燻製
日本で食べるような焼き魚をフランスでしようとすると、魚選びから調理までなかなか苦労します。
このサバの燻製は、少し大きめのスーパーであればどこでも売られています。
少し油を引いたフライパンで焼くと、まるで日本の干物のような焼き魚!大根おろしを添えてお醤油で食べれば、完璧です。
プレーンなものと、胡椒がまぶされたものがあります。
イクラ Œuf de saumon
フランスでもイクラは ‘Œuf de saumon’と呼ばれ、オードブルとして食されます。 お醤油をかければ、
日本で食べられるイクラと遜色ありません。お寿司の具材としても問題なく使えます。
カニカマ Surimi
フランスで、カニカマは ‘Surimi’と呼ばれる大変ポピュラーな食材です。
Surimiを具材にしたサンドイッチがあるあるくらいです。 味は日本のカニカマそのもの。お寿司やサラダの材料として大活躍します。 天ぷらにしてもなかなか美味しいですよ。 フランス人はオードブルとしてマヨネーズをつけて食べることが多いようです。
お漬物
レバノンレストランで食べられる赤かぶの酢漬けが、日本のお漬物そのもの! Navet au vinaigreと言えば通じますので、大抵はテイクアウトが可能ですので試してみてください。
困った時のビオショップ
この他、フランス語でMagasin Bioと呼ばれる有機健康食品店で、かなりの種類の日本食材を揃えることができます。
在仏日本人の和食材探しの定番といえます。
例えば、味噌、海藻、豆腐、蕎麦、素麺、梅干し、大豆などなど。
生野菜も、旬の季節には、長芋や大根、かぼちゃなども売られています。 是非Magasin Bioをのぞいてみてください。
ここまで、和食の準備に使える食材を紹介しましたが、逆に名前は同じでも日本とはちょっと違うものもあります。
ごま油 Huile de sésame
‘Huile de sésame’(ごま油)です。大手スーパーのMonoprixや有機健康食品店でいくつかの商品を試してみましたが、どれもさらっとしていて、風味が薄いものばかり。同じ商品名でもフランスの’Huile de Sésame’とアジアの「ごま油」は全く別物のようです。
きゃべつ chou blanc
フランスでよく売られているキャベツは、葉の一枚一枚が厚く、ぎっしりとしまっていて、切るのに苦労するくらい固いです。
コールスローは美味しくできますが、日本のキャベツのように千切りにして食べようとすると、歯ごたえが強すぎてあまり向いていません。
ただ、フランスでも春先には葉の柔らかいキャベツが出回ります。その時のキャベツは、日本のものと同じように使えます。
炒め物や煮物に使うなら、ケール(chou vert frisé)のほうが柔らかくなり、栄養価も高いのでおすすめです。
番外編 日本人が驚くフランスの牛乳
フランスでは、常温で3ヶ月は保存できる牛乳が売られています。日本人的感覚からすると、これで大丈夫なのかと心配になってしまいますが、大丈夫です。
フランスでは、牛乳を超高温で瞬間殺菌をするため、常温での長期保存が可能なのだとか。日本でも業務用ではよく使われているようです。
パックで、水のペットボトルなどが売られているコーナー付近に置かれていることが多いです。 「3ヶ月も常温で保存できる牛乳はちょっと・・・」と心配な方は、もちろん冷蔵保存されて売っている牛乳もありますので、ご安心ください。
冷蔵保存の牛乳も、常温保存の牛乳も両者とも味にそんなに大きな違いはありません。ただ、値段は長期保存可能な牛乳の方が安いです。