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フランス留学と保険について

Sick

フランスに3ヶ月以上留学する場合に関係する保険は、大きく分けて以下3種類となります。

A 日本の保険会社の商品の1つである、海外留学生保険

B フランスの社会保険制度、セキュリテ・ソシアル SECURITE SOCIALE

C フランスの任意共済保険 ミュチュエル MUTUELLE

3ヶ月以内の短期留学の場合、クレジットカード付帯の海外旅行保険も関連します

よく理解をして、ご自分にあった保険を選んでください。

注意!詳細は随時変わる可能性があります。
保険会社や商品によって詳細はかなり異なります。同じ名称でも保証内容は異なります

また、このページでは特に重要な保険項目について触れています。ご参考にどうぞ。

レスポンサビリテ・シビル (responsabilité civile)

アシュロンス・ダビタシオン (assurance d’habitation)

A 日本から加入する、海外留学生保険

長所
  • 日本語で簡単に加入できる
  • 保険内容も日本語なので理解しやすい
  • 渡仏前に加入できるので安心できる
  • 払い戻し請求なども日本語でできる
  • 現地デスクのある場合、キャッシュレスの病院などの情報入手も可能  
  • 健康保険のほか、損害賠償や旅行中のトラブルなども保証するプランも
短所
  • 掛け金が高額(割安なプランで10万弱/年)
  • 払い戻しは帰国後の場合もあるので、ある程度の現金が即必要な場合も。
  • フランスから延長不可能な場合がほとんどで、フランス滞在期間が長期で未定の場合に困る
  • 大都市の大型ホスピタルなどを除くと、手続きに慣れておらず時間と言語力が必要になる場合もある
こんな場合に
  • フランス語が入門レベル
  • 多少高くても安心料として支払いたい
  • フランス滞在期間が比較的短期
  • 短期滞在だが、自動車を運転する可能性がある(長期滞在の場合はフランスで自動車保険に加入する場合が多い)

B フランスの社会保険 セキュリテ・ソシアル (securité sociale) の健康保険 (assurance maladie)(以下セキュ)

※フランスの学生社会保険機構に登録している高等教育機関(大学もしくはそれに準ずるもの)に一定期間以上在籍する28歳未満の方は、加入が義務づけられています。

長所
  • セキュ費用は現在無料
  • フランス滞在3ヶ月目から任意で加入も可能
  • 年齢制限なし
  • 医療機関、検査機関、薬局ともに対応が的確で早い
短所
  • 医療費が高額になるほど自己負担額が増える(後述)
  • 任意加入は3ヶ月目以降なので、最初の3ヶ月は他の保険(Aの日本の保険もしくはクレジットカード付帯海外旅行保険など)に加入しておく必要がある
  • 任意加入の場合、加入手続き時など、中級程度のフランス語力、もしくはフランス語力のあるサポートが必要
その他特記事項
  • セキュは健康保険なので、損害賠償、住宅保険、旅行保険などはない。
    後述するミュチュエルと組み合わせるのが一般的
  • 年金、Pole emploi(ハローワーク)などに、セキュ番号が必要となる。
こんな場合に
  • フランスに長期滞在予定
  • 中級以上のフランス語力がある、もしくは加入時に誰かのサポートが受けられる
  • 仕事を探す予定がある
フランスで仕事(アルバイトも含む)をする場合、自動的にセキュ加入となります。保険料は雇用主と双方負担です。本人負担分は、給料天引きで支払います。
セキュリテソシアルの払い戻しの仕組み
セキュ協定医の一般医をかぜで受診した場合(払い戻しベース22ユーロ)
払い戻しベースの金額は診療科などの諸条件によって異なる。
診察代22ユーロ22×70パーセント-負担金1ユーロ=14.40(払い戻し分)
22-14.40=5.60ユーロ(自己負担分)
診察代40ユーロ40-払い戻しベース14.40(この数値は変化しない)
25.60ユーロ(自己負担分)
診察代60ユーロ60-払い戻しベース14.4045.60ユーロ(自己負担分)

このように、ベースが22ユーロの場合、何らかの理由で診察代がそれ以上になっても、払戻金は変わらないため、自己負担分が増えることになります。

この自己負担分をカバーするのが、下記のミュチュエルです。

C フランスの任意共済保険 ミュチュエル (mutuelle)

長所
  • 外国人留学生専用商品もたくさんある
  • ネットで加入できるものも多い。
  • 保険料は、日本の保険に比べると割安(安いプランで300ユーロぐらい/年)
  • フランスの医療機関がミュチュエルに慣れているので、払い戻し手続きが簡単で早い
  • 損害賠償・住宅保険(詳しくは後述)なども多くの場合カバーされている。
短所
  • ネットでの加入でも、中級以上のフランス語力、もしくは協力者が必要
その他特記事項
  • 基本的にミュチュエルはセキュの自己負担分のカバーをする任意保険
  • すべての商品が自己負担分をすべてカバーするわけではない。(後述)
  • 外国人学生用などは、セキュ加入の必要がなく、健康保険として、日本で加入する海外留学生保険(A)と同様に機能する。
こんな場合に
  • フランス滞在期間が長いもしくは未定
  • フランス語学力が中級以上もしくは協力者あり
外国人留学生用ミュチュエル使用例 
セキュ加盟の一般医にかぜで受診した場合
診察料セキュの払い戻しベース率商品セキュの払い戻しベースに対するカバー率ミュチュエル非加入(セキュは加入)の場合の自己負担額ミュチュエルの対象商品に加入している場合の自己負担額
2270%
(14.40ユーロ)
A70%(22-14.4=5.6)
5.60ユーロ
5.60ユーロ
B80%(22×0.8-14.4=3.2)
3.20ユーロ
C100%0ユーロ
要約:
診察料がベース値の22ユーロ内で、加入している商品が100%のカバー率の場合、自己負担額が0になる。
4070%
(14.40ユーロ)
A70%(40-14.4=25.6)
25.60ユーロ
25.60ユーロ
B80%(25.60-3.20=22.0)
22ユーロ
C100%(25.6-5.60=20)
20ユーロ
D150%(22×150%-14.4=18.6)
(25.60-18.6=7.0)
7ユーロ
要約:
診察料が上がるほど、自己負担率は上がる。カバー率が高いほど、自己負担額は減るが、掛け金は多くなる。
一般医の診察に対してカバー率70%では、非加入と同じ金額を支払うことになるので注意。

参考:レスポンサビリテ・シビル (responsabilité civile)

日本で加入できる海外留学生保険では、(民事)賠償責任、個人賠償責任保険と似た内容になります。
厳密な名称・保証内容などは、各保険会社や商品によって変わります。

例えば、呼ばれた友人宅などで、何か大切な物を壊してしまって、損害賠償を請求された場合、加入している保険商品のカバー内容によって、その損害額を支払うことができるということです。(これはほんの一例です)

上記Aの海外留学生保険や、Cのミュチュエルでは、ほとんどの商品でほぼ自動的にこのオプションがベースとしてついてきます。詳しくはそれぞれの保険内容をご確認ください。

参考:アシュロンス・ダビタシオン (assurance d’habitation)

日本で加入できる海外留学生保険では、住宅(賠償)保険と似た意味を持ちます。
厳密な名称・保険内容などは、各保険会社や商品によって変わります。

例えば、借りているステュディオでお風呂を水浸しにしてしまい、下の階にまで水が漏れてしまった場合、加入している保険商品のカバー内容によって、その損害額を支払うことができるということです。(これはほんの一例です)

上記Aの海外留学生保険や、Cのミュチュエルでは、オプションとして選択可能なことが多いでしょう。学生ミュチュエルでこれをオプションにつけても、30ユーロ/年ぐらいが相場のようです。

フランスでアパートやステュディオを自分名義で借りる場合は、このassurance d’habitation加入証書の提出を求められることが多々あります。
フランスの保険会社の商品ではないと不可とされることもあるので、加入前によく確認しておきましょう。

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